おおよそ3人に1人がなると言われる痔。人に相談してみたり詳細な体験を聞いたりなど中々話題にはし難い内容かと思います。
私も長年痔と付き合ってきましたが、日々の追われた生活と恥ずかしさから誤魔化し誤魔化しで、治療はせず先延ばししてきました。
風邪や骨折・捻挫、歯痛などなどであれば気軽に受診すると思いますが、ことお尻の話しとなると緊急性が少ないと錯覚しておざなりになっている方も多いのではないでしょうか。
若干恥ずかしさもある日記的なお話となりますが、発症から診察まで至った経緯の前編と、入院から手術、そして自宅療養までの体験を記した後編との2回に分けて記事にしてみたいと思います。
まず今回の前編では、発症原因や症状、その進行した経緯などについて取り上げます。
もし同じような症状や思い当たる様な事などあれば、是非参考にして頂けたら幸いです。
また内容が内容だけに汚い話も出てきますので、ご了承の程お願いします。
痔の発症から悪化まで
少しずつ悪化していった痔ですが、多少うる覚えながら記憶をたどって今に至った経緯を書いてみたいと思います。
あくまでも私の場合の一例ですので、必ずしも同じ経緯を辿るとは限らないのでご了承願います。
痔の兆候
随分前なので多少想像も入りますが、初めて痔の兆候があったのは10代後半くらいだったと思います。
部活の合宿先のトイレットペーパーがめちゃくちゃ固く、お尻の拭き過ぎでちょっと出血したのが始まりのような気がします。
その後頻繁ではないですが、激しい下痢などあった場合お尻を拭くとちょっと血が滲んだりする事がありました。
トイレでの長居が痔を悪化
大学受験の勉強において英単語や参考書をトイレで読むと集中出来るのもあって、トイレで長居するのが日課となっていました。
トイレだと記憶するような勉強は凄く頭に入ってくるんですよね。
いつも平均30~40分くらいトイレで息みながら本を読んでいました。
受験が終わった後もこのトイレの長居は癖になってしまいます。
この長時間のトイレは最悪で、痔を悪化させる要因らしいです。
だんだんお尻が拭きづらくなってきた
そんなこんなである時から便をした後拭ききれないというか、何回拭いても綺麗になりづらいような状況となっていきました。
長時間のトイレでちょっとだけ痔が出た状態になると、拭いても拭いても紙につくんですよね。
そんな状況なんで何度も拭くと、それが原因で出血してしまう悪循環となっていきました。
過敏性腸症候群の発症
社会人となり食生活の乱れ、毎日の飲酒、ストレスなどにより気付くと下痢が日課となっていました。
以前記事にした1日1食の記事で、1食にした経緯で取り上げていますので参考にしてみて下さい。
下痢はひどいわお尻は拭けないわで、徐々に痔の症状が悪化していきます。
最初の内はたまに出てきていつの間にか引っ込む痔でしたが、徐々に肛門から出てくる頻度が多くなっていきました。
肛門の腫れ
肛門から痔が出てくるのが当たり前となってくるにつれ、徐々に出てきた痔が腫れだし痛みが伴う様になっていきました。
痛みとしては擦りむいた生傷がお尻にある様な感じです。ジュワーと何とも言えない痛みが続く状態です。
痛くてどうしようもない時には市販の軟膏(ボラギノールなど)を塗るついでに、肛門の中に押し込むと大分痛みが緩和されます。
また熱いお湯や蒸しタオルで押さえると症状が楽になったりしていたので、この時点でも病院の受診はしませんでした。
常時痔が出た状態
病状も進行してたまに腫れはするものの、市販の薬や誤魔化しの対処法で我慢できる状態だったので、医者には行かず生活していました。
いつの間にか常時痔が出た状態となっている為、紙では拭ききれずウォシュレットが必須、家にいる時はトイレの後お尻をシャワーで流す毎日でした。
ただ先程言った擦り傷っぽい痛みだけでなく、肛門がズキンズキンと痛む症状も出始めました。
肛門の周り部分が突如腫れる
今から約3年ほど前に、肛門ではなくその周辺部分がめちゃ腫れてきてしまいました。
日に日に腫れが大きくなり、ちょっと触れるだけでもすごい痛みがあり、激痛で座ってお尻を椅子につけるのが難しい状態となりました。
うわぁもうこれは病院に行くしかないという限界に達した時、腫れものが破れ膿が出てきました。
膿の臭いはかなりきついのですが、破れて腫れが治まると先程までの激痛から解放されたので、抗生物質の塗り薬(何とかマイシンとついているもの)を塗っていたらいつの間にか治ってきたので、そのまま放置しておきました。
恐らく肛門周囲膿瘍(こうもんしゅういのうよう)という症状だったのではと思いますが、その時はそこまで深刻に考えずにいました。
2回目の腫れ発症
その後腫れたのを忘れかけた1年後くらいに、再度肛門の周辺が腫れだしてしまいました。
激痛ではありましたが、1回目の膿が出たら楽になるという経験則から、あまり焦らず痛みに耐え、腫れが破れるのを待ちました。
前回同様腫れがマックスになったころ、腫れものが破れ楽になりました。
これが常態化して再び腫れたら嫌だなぁという恐怖感はありましたが、病院に行く決心がつかず様子を見る事に。
3回目の腫れと傷口2か所発生
さらに1年半程経った頃、再々度腫れものが出来てしまいしました。
よく見ると腫れがマックスになる前に傷口2か所から膿がでており、薬を塗っても治らなくなってしまったのです。
これはヤバいと思い調べてみると、どうやら痔瘻の症状らしく手術しないと完治する事が出来ないらしいのです。
最初は大きめの絆創膏を張って様子を見ていましたが、倦怠感とかもありこれはさすがに病院に行かなければという結論に達しました。
受診から手術決断まで
意を決して初めて肛門科のお世話になる訳ですが、手術を決断した経緯を書いてみます。
私の場合はセカンドオピニオンとして2つの病院で診察を受けました。
費用は余計に掛かってしまいますが、診断内容や先生との相性、病院の雰囲気などもありますので、出来れば2つ以上の病院で診察してもらうのをお勧めします。
初めての肛門科診察
現在世間をにぎわす病気が蔓延している為、総合病院ではなく痔の専門病院を受診する事にしました。
個人的にデリケートな場所だけに、痔専門の診療所をお勧めします。(患者さん全てが同じ箇所を患っているという安心感と恥ずかしさ軽減から)
不安と恥ずかしさを抱きながら恐る恐る病院に行きましたが、まず第一印象はこんなにも痔で悩んでいる人がいるのかというくらい人だらけでした。
さすがに子供や若年層は殆ど見ませんでしたが、男女半々くらいでお年寄りの方も結構いらっしゃいました。
問診表を記入し面談を受け、いざ診察。
横向き体育座りの姿勢でズボンを脱ぎます。
そうすると躊躇なく先生が肛門に指を突っ込み触診されました。
初めての経験だったのでうぉーと声が出てしまいそうになりました。
あと超音波などの検査もして診断内容は予想通り、痔瘻と内痔核(イボ痔)という診断結果でした。
やはり手術が必要な事と事前の検査が必要との事で、血液検査などを行い入院の予約を決めるかどうかという所まできました。
ただ入院がしばらく空いていない事と手術する事を躊躇してしまったので、予約は取らずに薬だけもらって帰宅しました。
めちゃくちゃ混んでいたのもあり、診察から検査まで2~3時間はかかったと思います。
2件目の病院を受診
家に帰っても迷いはあったのですが、もう一つ近場に痔の専門病院(入院施設あり)があったので、セカンドオピニオンも兼ねて受診してみる事にしました。
やはり2件目の病院でも診断内容は変わらず、複雑痔瘻(2か所)と内痔核(3か所)の根治手術となり10日前後の入院が必要との事でした。
内痔核の切除は無理にやらなくても良いが、痔瘻は処置しないとどんどん悪化し複雑になってしまう恐れがあるらしく、早めの手術を勧められました。
同時にやるとそれなりにダメージがあるとの事でしたが、嫌な事は1回で終わらせたいので両方の手術をする決断をしました。
2件目の病院の方が病状の説明や入院日の融通、患者に向き合って相談に乗ってくれる点で好印象だった為、こちらで手術をお願いする事にしました。
2件目の病院も非常に混んでいてやはり診察が終わるまでに2時間ほどかかりました。
まとめ
長い長い痔との付き合いに終止符を打つべく、躊躇はしましたが手術する事を決断しました。
私の場合は痔瘻も複雑な経路をたどり、イボ痔の切除も3か所と多い為、10日程の入院が必要との事でした。
仕事や普段の生活を送っていると、手術を受け10日も入院するとなると難しい方もいらっしゃると思います。
私の場合は長年放置したツケでこういった結果となってしまいましたが、こうならない為にも似たような症状や生活習慣がある方は、是非一度痔の専門病院を受診した方が良いと思います。
会社などの健康診断で便の検査をした際、再検査などにより大腸内視鏡検査を受ける事になった方もいらっしゃると思います。
多くの肛門専門病院では、大腸ポリープ切除などを行っているので、不安な方は健康診断に引っかかる前に検査しても良いのではと思います。
大腸の内視鏡検査は事前に腸を空にしておく必要があるので、下剤やら何やらで前日から大変だと思いますが…
後編でもお伝えしますが、ある程度入院を要する痔手術の場合、退院したら即社会復帰という訳には行きません。(仕事の都合で退院翌日から出社する方も中にはいるようですが、相当大変で場合によっては思わぬ出血がある可能性もあります。)
回復度や症状にもよりますが、普段の生活に戻るには退院後2週間ほど時間を要します。
完治までとなると1~2か月程かけて傷が治っていく感じです。(あくまで10日入院を要した私の場合)
時間に余裕がない方も多いですし恥ずかしいとは思いますが、痔が悪化する前に1度肛門科を受診し、専用の薬や日帰り手術などで早めに処置した方が、放置して悪化してしまうよりましかなと今更ながら感じています。
後編では入院から手術、退院後の経過などについての体験談を記事にしていますので、下記をご覧になってください。