以前記事にもしましたが私は1回線を楽天モバイルと契約しており、契約時に激安で購入したスマホ「Rakuten Hand」のテザリング機能を活用して自宅でも外出時でもモバイルWi-Fiとして使用してきました。


暫くは自宅の光回線と併用していたのですが、自分の利用状況だと光回線いらなくね?と考え、コストもかかるので光回線は更新月タイミングで解約し現在楽天モバイルがインターネット接続のメインとなっています。
自宅でもスマホを充電しながらテザリングしまくっていた訳ですが、さすがにRakuten Handのバッテリーが悲鳴を上げ始め、上図の様なバッテリー警告も出るしたまに勝手にシャットダウンするようになってしまったのです。
このまま使い続けるのは怖い(リチウムイオン電池は発火などの恐れ等もある為)ので代わりの物を探していたのですが、安いスマホを買うかモバイルルーターにするかホームルーターにしてしまうか迷ったが挙句、最終的に「Pocket WiFi 5G A102ZT」を購入する事に決めました。
そんな「Pocket WiFi 5G A102ZT」を選んだ理由と使用感などをご紹介したいと思います。
楽天モバイルの固定回線化では何が最適解か
こればかりは使う方の状況で変わると思いますが、私の場合は自宅でも使用したいし、外出先でもパケ利用料を気にせず使いたい(もう一回線はほぼ待ち受け専用電話+WiFiでのネット利用)という思いから、モバイルWi-Fiルーターを選択しました。
もし完全メインは自宅のみで、まれに持ち出したい場合はスマホにSIMを付け替える(手間ですが…)、外出時はそもそも必要ないという方は比較的回線も安定しやすくWiFiの電波も広範囲なホームルーターが良いかも知れません。
楽天モバイルであれば「Rakuten Turbo」というのがありますが、別契約のプランとなってしまうし料金も高いので、Rakuten最強プランのSIMを利用するのであればZTE社製「Speed Wi-Fi HOME 5G L13」というホームルーターの評判が高いようです。
楽天モバイル最強プランの売りの一つにRakuten Linkアプリを利用した国内通話料が無料というのがあります。料金や仕様については楽天モバイルRakutenLink公式ページ
をご覧ください。
モバイルWifiルーターやホームルーターを利用したWiFi経由のスマホ接続では現在楽天リンクを利用し通話する事は基本出来なくなっております。
ということでインターネット利用より通話に重きを置く方には、スマートフォン(Androidの方が楽天リンクは使いやすいかも…)自体に楽天SIMを装着(もしくはeSIM)し、他機器はテザリングで接続という方法が良いかも知れません。
ただしずっとスマホのテザリングメインでネット接続していた私に言わせると、自宅でも頻繁に使うという方にはお勧め出来ません。
スマートフォンのテザリングをONにするとみるみる電池が減っていきますし、充電しながらだとすぐにバッテリーがやられます。しかもスマホはルーター専用機と違い様々なアプリが裏で動作していたりするので負荷が半端じゃないです。
しかもスマホのテザリングはルーターのおまけ機能みたいなもので、IPやMACアドレスフィルター、ステルス機能などなど実装されていない場合が殆どなのでセキュリティ的にも問題があります。
ですのでたまーに外出時テザリングを使用したいという場合には楽天リンクも使えて十分アリかも知れません。
私の個人的な意見の結論をまとめると
- 自宅でも外でも使いたいけどそれ程ヘビー利用じゃない → モバイルWi-Fiルーター
- 光回線の代わりに家でのみ使いたい → ホームルーター
- 自宅は光回線あり、外出時に複数機器でネットと通話両方使いたい → スマホのテザリング
- 自宅の光回線代用、外出時は複数機器でネットと通話両方 → ホームルーター + スマホのSIM差替え(SIM破損のリスクあり)
という感じです。
Pocket WiFi 5G A102ZTの購入理由
それでは様々なWi-Fiルーターがある中、私がA102ZTの購入に至ったかについて書いていきたいと思います。
私の利用状況を考え色々と検討した結果モバイルルーターを選択した訳ですが、今度はどの機器にするかかなり悩みました。
楽天モバイルからは2024年7月に発売されたプラチナバンドにも対応の「Rakuten WiFi Pocket Platinum」もありますが、スペック的に思う所があるし、回線契約だと1円でゲットできるものを購入する気になれなかったので候補から外しました。
他候補をネットで検索してみると、楽天モバイル利用で評判が良さげなSIMフリーの富士ソフト 「FS040W」というモバイルルーターが目に留まりました。
こちらは何と言ってもバッテリーレスで起動できるので自宅で電源繋ぎっぱなしで運用できる他、外出時にもバッテリ装着でモバイルルーターとして使える、そしてスペックもまぁまぁ高性能でサイズもコンパクトとまさに自分が求めていたルーターだった為購入する気満々でした。
購入するつもりだったのですが、楽天モバイルの5G対応エリアを確認してみると、自分の住んでいる地域がいつの間にか5G対応になっていたんです。
5Gなんていらない4Gで十分だという意見もありますが、どうせ買うなら5G対応が欲しい…と考えてしまう様になり同じ富士ソフトで5G対応でより高スペックな「FS050W」を購入するか迷うようになりました。
でもネックは値段が高すぎる…さらにはFS040Wと比べサイズが大きくなる点も気になったので、妥協してFS040Wにするかと思っていた所、5Gの夢が捨てきれず他を検討する事にしました。
そこで楽天モバイルの5Gと4G回線のバンドに対応したSIMフリーのモバイルルーターを色々と調べていき、スペックや価格などを考慮し以下の3点に絞られました。
- NEC製 「Speed Wi-Fi 5G X12」
- Samsung製 「Galaxy 5G Mobile Wi-Fi SCR01」
- ZTE製 「Pocket WiFi 5G A102ZT」
機器名称 | A102ZT | X12 | SCR01 |
---|---|---|---|
サイズ | 約W141×H69×D15.9mm | 約W136×H68×D14.8mm | 約W147×H76×D10.9mm |
重量 | 約240g | 約174g | 約203g |
バッテリー容量 | 5,300mAh | 4,000mAh | 5,000mAh |
Wi-Fi同時接続可能台数 | 30台 | 16台 | 10台 |
最大通信速度(5G) | 下り2.0Gbps/上り110Mbps | 下り3.9Gbps/上り183Mbps | 下り2.2Gbps/上り183Mbps |
無線LAN | IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax | IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax | IEEE802.11a/b/g/n/ac |
発売日 | 2021年7月15日 | 2023年6月1日 | 2021年4月8日 |
Speed Wi-Fi 5G X12はau系列のWiMAX回線用機器として販売されています。
ネット上の多くの方が楽天モバイル回線でもおすすめしており、この3機種の中では発売日が一番新しくスペック上では一番性能が高いです。
ですが口コミなどを見てみるとバッテリーがもたいない、タッチパネルじゃないから操作性が悪いなど目にし、ちょっと購入を躊躇してしまったのが正直な所です。
ちなみにSpeed Wi-Fiという商品名で上述したホームルーターのおすすめ機器「Speed Wi-Fi HOME 5G L13」と名称が似ていますが、ホームルーターの方はZTE製です。同じWiMAX回線用機器として同時期に発売されました。
こちらのGalaxy 5G Mobile Wi-Fi SCR01もau系列のWiMAX回線用機器ですが、楽天モバイル回線でも利用可能なようです。
先のSpeed Wi-Fi 5G X12が後継として発売されたようですが、SCR01の方が評判が良いようです。
スペックは若干劣りますが、スマホの様な大画面で見やすく操作性も良いようで今でも人気があるみたいです。
ただし玉数が少なくX12より人気なのか、値段が手頃な未使用品を見つけるのに苦労するかも知れません。
ちょっと自分的には未使用品は予算オーバーだったのもあり保留にしました。
最終的に購入したPocket WiFi 5G A102ZTはソフトバンク系列のY!mobile(ワイモバイル)回線用機器ですが楽天モバイルでも使用可能です。(ソフトバンクからは型番がA101ZTとして販売)
発売は古いですが現在でも公式でY!mobileの回線申込と同時に購入可能です。(端末単体の購入不可)
スペックも申し分なくバッテリー容量も候補3機種の中では最大の5300mAh、タッチパネル対応でバッテリーの脱着が可能な所がすごく気に入りました。
バッテリー脱着可能と書きましたがバッテリーレス起動は残念ながら不可です。(どうせならバッテリー無しで起動させてほしい!)
もう一点デメリットを挙げるなら、本体が大きく重い点です。バッテリー容量が多いので仕方ないですが、ポケットなどに入れて持ち運ぶにはちょっとキツイでしょう。
ただこの3機種の中で一番評判が良さそうな点と未使用品が一番安く購入(7,000円くらい)出来たのでとても満足しています。
こちらもお手頃価格の新品未使用はタイミングが悪いと中々見当たらないので、ECサイトだけでなくフリマサイトやオークションサイトなどから探さなくてはいけないかも知れません。
A102ZTの楽天モバイル接続設定
こちらの機器を楽天モバイルで使用するにはAPN設定が必要となります。(SIMカードを挿しただけでは繋がりません!)
まずはパソコンとA102ZTをUSBケーブル(USB-A⇔USB-C もしくは USB-C⇔USB-C)で接続します。
WebUIへのログイン
USBでルーターと接続したらパソコンのブラウザを起動しURL入力欄に「http://web.setting」と記述してEnterキーを押します。
すると上図の様な画面が表示されると思います。(もし英語表記だったら上部のプルダウンメニューで日本語を選択して下さい)
上部の「ログイン」ボタンをクリックします。
ログイン画面になったら初期パスワード「admin」と入力し「ログイン」ボタンを押します。
リセットは設定等全て初期化されるので、実行する前は慎重に行ってください!
パスワードが初期設定のままだと上図のポップアップが表示されます。いつでも変更できますが気になるようでしたら、変更した方が無難です。(今回は割愛します)とりあえず今回は「いいえ」を押して先に進めます。
APN設定
ログインしたら上部メニューの「設定」をクリックします。
次に左サイドメニューの「モバイルネットワーク」項目にある「APN」を選択します。
上図の画面になったら「新規追加」ボタンを押し新しプロファイルを作成します。
プロファイル名:任意 (画像ではRakutenとしています)
APN:rakuten.jp
認証:CHAP
DNS設定:ダイナミック
こちら最小限設定を入力選択し最後に「保存」ボタンを押し、プロファイル選択画面(新規追加ボタンを押した画面)でこのプロファイルを選択し「保存」ボタンを押したら完了です。
これで楽天モバイルの回線に接続されるはずです。
DNS設定でスタティックを選ぶ場合(任意のDNSを指定)の一例を乗せておきます。
IPv4 セカンダリ 1.0.0.1
IPv6 プライマリ 2606:4700:4700::1111
IPv6 セカンダリ 2606:4700:4700::1001
こちらはCloudFlareのDNSに接続する設定です。DNSの説明については割愛しますが、匿名性がアップするのと多少Web表示速度が改善されるらしいです。(体感はありませんが…)
無線LAN設定
あくまで私の設定一例として見て頂ければと思います。といってもほぼ最低限の設定しかしていませんが…
メインメニューの設定から「LAN Wi-Fi」項目をプルダウンし「基本設定」を選択します。
Wi-Fi電波の2.4GHzだけでなくより高速通信が可能な5GHz帯も利用したい場合には「マルチSSID」をONにして「保存」ボタンを押します。(当然Wi-FiがONになっているかも確認します)
マルチSSIDがONになるとSSID Bの設定も出来る様になります。
SSID Aが2.4GHz帯の設定、SSID Bが5GHz帯の設定です。
SSID共通設定ですが「SSID BユーザーのWeb UIへのアクセスを許可」にチェックを入れました。(SSID BへWiFi接続した端末からルーターの設定を変更したい為)
他はデフォルトのOFFのままです。
SSID Aの設定はまずデフォルトのままのSSIDは嫌なので自分がわかり易い名称に変更しました。パスワードもある程度のセキュリティを考慮しパスワード生成ソフトを使って設定しました。
SSID Aはステルス機能(WiFi検索しても表示されない設定)をONにしています。メイン接続を5GHzで使用するにあたり2つのWiFi表示が紛らわしいので、ステルスをONにしています。
多少セキュリティ向上の為に認証方式は「WPA2-PSK/WPA3-PSK」に設定変更しています。
このモバイルルータは同時接続できる端末の最大数は30台ですが、SSID AもBも10ずつ(最大20台)に設定しました。ご自身の環境に合わせて最大数にするか、最小の数値にするか検討してみて下さい。
他はデフォルト設定のままです。
次はSSIS Bの設定になります。
SSID Aと名称以外はほぼ同様の設定ですが、上述した理由からこちらはステルス機能をOFFにしています。
その代わりですがセキュリティを高めるためSSID BのみMACアドレスフィルタリングを有効にしています。
MACアドレスフィルタリングは設定項目では無く、メインメニュー「接続中の端末」→「MACアドレスフィルタリング」項目から設定可能です。
ただしこの設定をすると、スマホの個別WiFi内設定も変更(iPhoneであればプライベートWiFiアドレスをオフか固定)する必要がありますので、良く分からない方は設定しない方が無難です。
デフォルトから変更する最低限の設定をまとめると、
- SSIDの名称:デフォルトでもOKだが変更推奨
- セキュリティキー(接続パスワード):管理しやすく単純でない文字数字
- 認証方式:WPA2-PSK/WPA3-PSK
の3項目でOKです。(接続可能台数は適宜)
無線LAN詳細設定
こちらはメインメニューの「設定」から「LAN Wi-Fi」項目にある「詳細設定」から開きます。
確認項目は上図の赤枠部分です。
2.4GHz項目
・通信規格:自動(11b/11g/11n/11ax)
・帯域幅:40MHz
5GHz項目
・通信規格:自動(11b/11g/11n/11ax)
・帯域幅:20MHz/40MHz/80MHz
・Wi-Fiチャンネル:自動(100-140)
その他の項目はデフォルトのままです。
後は接続したい端末(スマホやPCなど)を設定すれば接続可能となります。
回線速度を計測してみた
折角5G対応になったので、回線速度を室内と屋外で検証してみました。
室内で色々移動しながら一番良さそうな場所で計測した結果です。
明らかにスマホよりも電波の入りは良いのですが、驚くほど速くはなりませんでした。
ただアップロード速度はスマホのテザリングでは1Mbps程しかなかったので、かなり改善されたとは思います。
住んでる場所が5Gエリア内なので、外に出て計測してみると驚くほど速くてびっくりしました。
この速度が室内でも出れば言う事なしなのですが、ちょっと残念です。
ただこのモバイルルーターのポテンシャルが高い事が分かったので良かったです。
まとめ
使用してみて良かった点を簡潔にまとめると…
【良かった点】
- 多機能モバイルルーターとしてはお手頃価格
- 5Gエリア内で電波が良ければ爆速
- バッテリー容量は他機種と比べ多く電池持ちが良い
- 本体タッチパネル操作で簡単な設定変更が楽
- バッテリーがヘタっても交換しやすい
- 専用クレードルを使えば有線LANも使える
逆に気になった点などを挙げると…
【気になった点】
- モバイルルーターとしてはちょっと重い
- たまにパケ詰まりorログイン不可になる(本体再起動が必要)
- バッテリー取り外し可だがレス運用は不可
- 未使用品の入手がタイミングにより難しい
メリットデメリットはありますが、今回タイミングよく「Pocket WiFi 5G A102ZT」の未使用品を安く購入出来て大変満足しています。
自宅だとずっと充電しながら使えない、楽天リンクを使うにはスマホにSIMカードを乗せ換えなくてはいけないなど面倒な点もありますが、暫くこのスタイルで使っていこうと考えています。
もし別の楽天モバイルSIMが入手出来たら、裏技を試してみたいとは思います。
何より5Gエリアだと爆速なので、外出先でもストレスなくネットが出来るのが本当に嬉しいです。
「Pocket WiFi 5G A102ZT」の入手はタイミングが悪いと難しいかも知れませんが、安い未使用品があれば買いだと思いますので、楽天モバイル回線を契約している方は是非検討してみては如何でしょうか。