ワードやエクセル、パワーポイントなどで作成した書類など完成すると、多くの場合PDF形式に変換してデータ等やり取りする事が多いと思います。
PDF(Portable Document Format)ファイルは多くのマニュアルやレポート、ビジネス用の資料などでスタンダードなファイル形式ではないでしょうか。
ファイルを購読しやすいというのもありますが、何と言ってもオフィス等のソフトがインストールされていないPCやスマホ等でも閲覧が可能な為、私もPDFファイルに変換してデータをやり取りする事が良くあります。
以前にも高速・軽量でPDFファイルを閲覧できるソフトウェアを記事にした事があります。
ただこのPDFファイルは閲覧のみのファイルと認識している方が多く、直接編集出来ないと考えている方も少なくありません。(あくまで私見です!)
今回ご紹介するのはPDF編集ソフトである「MiniTool PDF Editor」になります。
MiniTool PDF Editor V2.0のインストール方法や特徴そして機能、また無料版と有料版の違いについてご紹介してみたいと思います。
MiniTool社の他ソフト記事については下記を参照にして下さい。
PDFってなに
冒頭からPDFという言葉を連発していますが、そもそもPDFってなんだよ?という方の為に簡単に説明したいと思います。
今や文書フォーマットのスタンダートと言うべき形式(Windowsでいう所の拡張子pdf)ですが、本当に当たり前になったのは2000年以降のように記憶しています。
開発は1990年代初頭にPhotoshopなどで有名なアドビ社が開発した電子文書ファイル形式ですが、あくまで一企業の独自なフォーマットという認識が強く、暫くは一般的ではなかったと思います。
PDF形式で作られたファイルを閲覧するには同じくアドビ社が開発したAcrobat Readerというソフトが一般的で、まだ世には閲覧ソフトはあまり無かったようです。
Acrobat Readerが無償になった辺りからその使い勝手や閲覧しやすさ、さらに多種なソフトウェアで作られたファイルを一つの形式に集約出来る事から、様々なメーカーからPDF変換ソフトが発売されるようになりました。
今ではオフィスソフトだけでなく多くのソフトから直接PDF形式でエクスポートする事が可能ですが、その当時は専用ソフトを使ってPDF形式に変換していました。
閲覧ソフトもAcrobat Readerだけでなく、無駄を省いてより軽量で高速で動作するソフトも増えていき、現在は電子文書ファイルをアプリやプラットフォームに影響されず、まるでペーパーのように同じ見た目のデザインで閲覧ができるPDFデータは無くてはならないものとなりました。
MiniTool PDF Editorの特徴
MiniTool PDF EditorはMiniTool Software社が開発提供するPDF編集を備えたソフトウェアです。
MiniToolのソフトウェア全般に言える事ですが、メニューがシンプルで直感的な操作が可能となっています。
UI説明の項目でもご紹介しますが、主な機能(有料版)を挙げると以下となります。
- PDF閲覧
- PDF編集(テキスト・画像・注釈削除挿入など)
- PDFから形式変換またはその逆(各オフィスソフトや画像など)
- PDFの分割・結合
- PDFの圧縮
- PDFの暗号化
- PDFの読上げ、翻訳
ざっと特徴を述べましたが、PDFファイルに対するあらゆる操作が可能となっており、それでいて軽量かつ高速に動作します。
操作感はパワーポイントに似ているので、極端な事をいうと編集だけでなく、PDF資料を直接作成してしまう事も可能です。
ダウンロード・インストール方法
まずは「MiniTool PDF Editor公式サイト」にアクセスします。(執筆時点ではサイトは英語版です)
「Free Download」というボタンをクリックすると、設定にもよりますがブラウザ既定フォルダへのインストール実行ファイルダウンロードが開始されます。
指定されたフォルダにある「pdfeditor.exe」ファイルがインストール実行ファイルです。
実行ファイルをダブルクリックすると上図の様な英語のウィンドウがポップアップします。右下にある「Custom Installation」横のチェックマークをクリックします。
下部のプルダウンメニューから日本語を選択すると日本語化されます。
移動先フォルダとなっていますが、こちらがインストール先となるので変更したい場合はこちらで変更します。
私はデフォルトビューワは別ソフトを使用しているので、チェックを外しました。こちらは後でも変更可能です。
「今すぐインストール」ボタンを押すとネット上からファイル転送しインストールが開始されます。ファイルはそれ程量がないのですぐに終わると思います。(ネット環境にもよりますが…)
インストールが完了するとデフォルトブラウザでThanksページが表示されます。
問題なくインストールが完了すると上図の画面が表示されます。
無料版と有料版について
MiniTool PDF Editor V2.0では無料版と有料版が存在します。
基本的には無料版(7日間無料使用期間)をインストールし、トライアル終了後もすべての機能を使用し続けたい場合は、有料版を購入後ライセンスコードを入手してアップグレードする流れになります。
逆に言えば無料版インストール後7日間は有料版と同等の機能が使えるので、まずはトライアル期間中に一通りの操作を行い、購入を検討するのが良いと思います。
7日間無料使用期間を過ぎると機能制限がかかり、ほぼ閲覧のみの機能しか使用出来なくなります。PDF閲覧ソフトとしても非常に高速に動作するのそのまま使用するのもアリかも知れません。
無料版トライアル終了後と有料版の機能についての詳細は英語表記ですが、公式サイトFree EditionとPro Editionの機能比較ページをご覧ください。
有料版は3種のプランが存在し執筆時点では割引もありますが、月額プランは19$(PC1台)、年間プランは69$(PC2台)、買切りプランが99$(PC1台)となっています。
金額はドル表記ですが、購入時に日本円換算の販売価格になるようです。
割引期間であれば断然買切りのUltimate Plan版がお勧めです。
MiniTool PDF Editorの使い方・機能
ここではソフトをインストールして最初に確認する事やUIメニューから各種機能を見ていきたいと思います。
MiniTool PDF Editorの機能は多彩なので、一例の編集方法を解説してみます。
初期設定
初めてMiniTool PDF Editorを起動すると上図の様なウィンドウがポップアップします。
私はインストール時にデフォルトのPDFビューアにしなかったので表示されたと思いますが、もし別ソフトのPDFビューアをデフォルトのままにしておきたい場合は「もう一度表示しない」にチェックを付け「キャンセル」ボタンを押してください。
次にまた上図の様なウィンドウが表示されます。無料版でそのまま使うのであれば「×」を押してウィンドウを閉じて下さい。
「有効化」ボタンは有料版のライセンスコード入力ウィンドウがポップアップし「今すぐ購入」ボタンはブラウザから購入サイトが表示されます。
初回起動時は上図の様な英語版マニュアルのPDFファイルがオープンされます。
必要なければタブ部分の右端のマークをクリックするとファイルが閉じます。
タブを閉じるとウィンドウ左端が上図のようになっていると思うので「設定」をクリックします。
設定ウィンドウがポップアップしたら「一般」を選択します。「規定のPDFビューアとして設定」項目にチェックが入っているので、間違ってデフォルトビューアにならない為にチェックを外して「適用」ボタンを押します。(デフォルトビューアに設定したい人はチェックを付けたままで適用)
もしインストール時に言語を日本語にしなかった場合は、こちらでも変更可能です。
次にメインウィンドウの上部にある「ヘルプ」項目を選択します。
2段目のメニューにある「更新」ボタンをクリックして、一応最新版がないかチェックしておきましょう。
特に更新がない場合は上図のウィンドウが表示されると思います。
UIメニュー解説
MiniTool PDF EditorのUI周りを見ながら、どのような機能があるのか見ていきたいと思います。
まずはメインウィンドウの一番左上にある「MiniTool-Pro」となっている箇所(無料期間が過ぎるとProの文字は無くなる)を一回クリックしてみましょう。
すると縦にメニューが表示されると思います。各メニュー項目は後ほど説明する種別ごとに並んだロゴメニューからの方が直感的でわかり易いと思います。
ここでは主に最近開いたファイルをすぐに開きたい場合や過去に編集したファイルを復元(バックアップとリカバリー)したりする際に良いかも知れません。
次は何もファイルを開いていない場合(ファイルを開いていてもロゴメニューの開始を押した場合も表示)にメインウィンドウの左端に表示されているメニューです。作業を始める前に一番使う項目のみをチョイスした感じになっております。
それではウィンドウ上部のメインメニューを見ていきたいと思います。
一番メインのメニューは上部のホーム、表示、注釈、編集、変換、ページ、保護、共有、ヘルプとなっており、さらに検索のウィンドウやプロ版購入サイトへのリンク、ライセンスキー入力、サポートページへのリンク項目となっています。
上図はメインメニューの「ホーム」を選択した際に表示されるサブメニューです。ロゴのメニューとなっているので非常にわかり易いと思います。
ちなみにサブメニューの開始、ハンド、選択は他のメインメニュー(一部無し)でも共通化されています。
次はメインメニューの「表示」を選んだ際のサブメニューです。主にPDFを閲覧する際に必要な項目がまとめられています。
こちらはメインメニュー「注釈」を選んだ際のサブメニューです。元の文章を装飾してわかり易くしたりする際の項目が並んでいます。
こちらはメインメニュー「編集」を選んだ際のサブメニューです。元の文章の修正や文字・画像の追記、OCR、ファイルの圧縮など資料自体を編集する為の項目となっています。
こちらはメインメニュー「変換」を選んだ際のサブメニューです。PDFから各アプリのフォーマット形式に変換したり、その逆も行える機能の項目です。様々なフォーマット形式に対応しております。
こちらはメインメニュー「ページ」を選んだ際のサブメニューです。その名の通りファイルやページを分割したり結合したりといった編集が行える項目となります。
こちらはメインメニュー「保護」を選んだ際のサブメニューです。PDFのパスワード保護・解除や電子署名の追記、透かしの追加などが行える項目です。
こちらはメインメニュー「共有」を選んだ際のサブメニューです。特にこちらのソフト内で行わなくても良いとは思いますが、指定のEメールソフトを使用してファイルを送信する際に使用します。
初期設定のアップデート項目でも確認したメニューですが「ヘルプ」を選んだ際のサブメニューです。更新や設定の他、便利なショートカットが用意されており、カスタマイズも可能!
またMiniTool PDF Editorでは様々なショートカットが用意されており、もしヘビーに使用するならこれらのショートカットを覚える事により作業時間を大幅に削減出来るでしょう。
ファイルを開いていない状態やサブメニューの「開始」を選択した際には、メインウィンドウ中央部によく使用される項目がピックアップされています。
このように様々なメニューの項目を見てきましたが、アイコン表示で非常に見やすく目的に応じて各ツールがまとまっているので、直感的に操作がしやすいのではないでしょうか。
PDFファイルの編集と変換
使い方という程ではありませんが、事前に作っておいたサンプルPDFをちょっと編集して、それを画像ファイルに変換してみたいと思います。
まずはメインメニューの「編集」をクリックしサブメニューの「すべて編集」(テキストだけならプルダウンしてテキスト編集)を選択した状態(クリックして色がマークアップした状態)にします。
各箇所が四画に囲われた状態になるので、編集したい箇所をクリックします。(今回はサンプル表紙という文字列を選択しています。)
今回は表紙という文字列をタイトルという文字列に変更しています。
文字ブロックの上部や下部などにポインターを合わせ、十字になったらドラッグして配置を中央に変更しました。
次にメインメニューの「変換」をクリックし、サブメニューの「PDFから画像」を選択します。
するとウィンドウがポップアップするので、出力先や解像度、ファイル形式を選択し「開始」ボタンを押します。
こちらのサンプルPDFは実は3ページあったので、出力先にフォルダが作成されました。
各ページが別々の画像ファイルとして出力されました。
このようにPDFファイルの編集を一例として行ってみましたが、操作自体は驚くほど簡単でした。
普通にオフィスソフトを使える人であれば全く操作が苦になる事は無いと思います。
まとめ
今回は「MiniTool PDF Editor V2.0」について特徴や機能などを紹介させて頂きました。
PDF編集のソフトとしては高性能でありながら、軽量でしかも動作が高速なので、使い勝手は凄く良いと感じました。
ソフトウェアを使用してみて良かった点をまとめてみると…
【良かった点】
- 軽量でサクサク高速に動作
- 細かい編集や変換など機能充実
- メニューが分かり易く直感的操作が可能
- 期間限定だが無料版でも全ての機能が使用可能
逆に気になった点などを挙げると…
【気になった点】
- フォント変更など一部日本語対応に不具合
- 幾つかの機能(フォーマット変換、OCR、翻訳等)でオフライン使用不可
- 公式サイトやマニュアルが英語のみ
現時点では多少の不具合はあるものの、今後のバージョンアップで修正されていけば、素晴らしいソフトになる気がします。
プライバシーや機密的な文章を扱う事もある為、個人的な希望を言えば完全オフラインで全ての機能が使えるようになれば最高だと思いました。
7日間の無料トライアル期間中なら有料版の機能が全て使用できるので、PDF編集に興味がある方がいらっしゃれば一度使用してみては如何でしょうか。