長年患った痔とのケツ別をするべく手術を受ける事にしましたが、痔瘻が複雑だったりイボ痔の切除箇所が多かったりと病状がある程度進行していた為、10日前後の入院が必要となりました。
記事の前半では痔の発症から悪化、診察までの経緯を書いていますので、ご興味があれば読んでみて下さい。
今回の記事では痔の入院にあたって確認しておきたい事、持参した方がいいもの、手術から入院生活を通した体験談、そして退院後の自宅療養までを記事にしてみたいと思います。
おしりのデリケートな話で多少汚い内容も含まれますので、ご了承の程お願いします。
入院準備
診察時に入院日を予約し、入院の準備をする事になりました。
実は私、入院するのがこれが初めてだったります。
必要と思われるものを考えながら、大きめのバッグに仕舞っていく際、何となく修学旅行や合宿日前日のようなソワソワした気持ちになっていました。
こちらでは私の入院体験を通して、事前に確認しておいた方がいいなぁと感じたことやもっと持って行った方が良かったなぁと思った物を挙げてみたいと思います。
入院費用
私の場合は結果的に3割負担保険内で約10万、保険外で約3万程かかりました。
実は事前に役所へ高額医療費の相談に行った際、健康保険限度額適用・標準負担額減額認定証というものを発行してもらっていた為、実際支払った額はもう少し低いです。
普通は3割負担で一度病院に支払いを済ませた後、高額医療制度の申請をする事で、保険適用内の超過した金額分戻ってくる段取りとなりますが、入院日が分かっている場合には、事前に役所に相談に行けばその場ですぐ発行してもらえるのでお勧めです。
病院や手術内容によってはもっと高額になる事もあるので、不安がある方は管轄の役所へ相談してみて下さい。
ちなみに入院するなら月を跨がない方が良いです。
高額医療費の限度額は月単位の為、月が変わると倍になります。
私は都合上月を跨いでしまったので、かなり損した気分になりました。
保険適用外のものというのは、主に病衣やタオルの貸出代、売店利用(特に水分補給は重要なので飲料購入費は意外にかかります)、そして特に高いと感じたのは医療用ガーゼの金額です。
医療用ガーゼは入院期間中、結構な頻度で取り換えが必要なので、私の場合は退院後の持ち帰り分を含め100枚入り3箱購入しました。
1箱が約3,000円程する為、ガーゼだけで1万円近く(テープなど含め)かかった事になります。
私の場合はこれら合わせて3万前後でしたが、人によってはテレビや冷蔵庫利用のプリペイド購入費や病院によってコインランドリーの利用費などもあるので、医療費以外にかかる費用がある事を念頭において下さい。
また病院や入院日数によってかなり変動はありますが、入院前に保証金が必要となります。
こちらは現金で先に渡しておいて、退院時一度返却されて清算という流れになります。
多少まとまった現金が必要になる場合があるので、注意が必要です。
入院前に確認した方が良い事
入院が決まると病院から入院案内が渡されますが、そちらの内容もしっかりと読んでおいて下さい。
こちらでは入院案内に書かれている事もありますが、それを見ながらじっくり話せる機会は病院によって限定されると思いますので、事前に質問内容を考えていたほうが良いかも知れません。
入院経験が少ない方(痔での入院は特殊な事も多いですが…)は色々不安かと思いますので、こちらを参考にして頂ければと思います。
費用や必要経費について
先程もお伝えした通り、費用については確認しておいた方が良いと思います。
入院手術代やその他保険外の必要経費、個室利用なら差額ベッド代など入院生活における費用の目安等相談しておいて損はありません。
トラブル防止の為高額の現金は持ち込み禁止の場合がありますが、清算をカード払いにするにしても多少なりとも現金がないと大変困ります。
その辺りも病院に相談してみると良いと思います。
ウォシュレットなどの設備について
大抵の肛門専門病院であれば、ウォシュレット付きトイレがデフォと思いますが、一応全部そうなのか確認してみて下さい。
というのも痔の手術をした後は、絶対にウォシュレットが必要となります。
便をしなくとも頻繁におしりを綺麗にする必要がありますし、例え便の時であっても、入院中は痛くて紙ではろくにお尻は拭けないと思って下さい。
他には入院中シャワーやお風呂、座浴などはどの程度利用できるのか確認しておいた方が良いです。
特別な個室の場合には専用の浴室が設置してある病院もありますが、大部屋の場合は利用が限られたり、制限時間があったりしますので確認必須です。
このシャワーやお風呂は、痔の入院生活においてはまさに天国と感じる瞬間です。
温かいお湯に浸かったりシャワーを浴びる事で、不思議と痛みが緩和され、汚れてベタベタしたお尻が清潔になるので大変重要です。
お金に余裕があれば、専用浴室・トイレ完備の病室にしたかったくらいです。
私の場合は1日1回30分しか利用できませんでしたが、もしこれが好きな時に何回でも利用出来たなら、入院時の辛さもだいぶ違っていただろうと思います。
もし手厚い保証の民間保険に入っていて、資金に余裕があり個室での入院を検討しているなら、設備も確認してみて下さい。
Wi-Fi設備の有無
入院が10日間となると後半は結構暇になります。
また仕事によっては入院中でもメールのやり取りや、PC作業をしたいと考える人もいるかも知れません。(手術日から3日間くらいはそれどころではないと思いますが…)
病院にLANやWi-Fiの設備があればかなり助かると思いますので、入院する際それを踏まえて検討しても良いとは思います。
持ち込んでも良い物ダメな物
最近はパソコンやスマホは持ち込み可能となってる病院が多いですが、先程のWi-Fi設備確認と同様に持ち込み可能か確認した方が良いでしょう。
それ以外の電化製品類はダメな場合がありますが、私の場合は電動カミソリがOKか確認しました。
10日も入院したら、髭がボウボウに(相当古いですがなすびみたいに)なってしまうので一応確認しておきました。
現在病院では刃物類の持ち込みは厳しいので、もしかしたらT字カミソリなどはダメかも知れません。
他にどうしても持っていきたい電化製品類があれば、事前に確認・相談しておくのが良いでしょう。
常備薬の使用有無
他の病気を患っていて薬を飲み続けている場合は、飲んでいる薬名と頻度などを病院に伝えておいた方が良いです。
代表的な薬(血液をサラサラにする薬や血圧を下げる薬)などはまず確認されると思いますが、それ以外でも他に薬を利用している場合は確認しておいて損はないはずです。
入院時に持参した方が良い物
病院の入院案内に必要なものは明記されていますので、まずはそちらを参考にして下さい。
ここでは入院案内には特に書かれていないけど持っていって良かった、もっと持ってくれば良かったと感じたものなどを挙げてみます。
まず一番はおむつ&パットか生理用ナプキンです。(病院内でも別途購入可能な場合はあります)
私は下着の予備的な感覚で2枚だけしか持って行かなかったのですが、正直言って入院中はずーっとおむつで過ごせるぐらい持っていけば良かったと後悔しています。
特に術後3日間くらいは出血と分泌物がかなり多いので、普通の下着だとかなり汚れてしまいます。
よくある介護用パンツタイプのおむつに、さらにパットか生理用ナプキンを装着すると完璧です。
支給されたガーゼを重ねてテープでお尻に装着するのですが、頻繁に取り替えていてもズレたり汚れが貫通したりする為、おむつとパットがあると安心かと思います。(最初は装着に慣れないので漏れてしまう可能性大です!)
次に持っていって良かったというか断然お勧めしたいのが耳栓です。
特に大部屋の場合、同じ病気を患った方たちがカーテン越しにいる為、音とかイビキなど気になり眠れなくなる事があります。
只でさえ痛みで眠りにくいので(睡眠導入剤は処方してもらいました)、かなり音には敏感になってしまうんですよね。
最近だと100円ショップでもちゃんとした耳栓が売られています。絶対持って行った方が良いです。
つぎにこれは必須ではないですが、ストローがさせる蓋つきコップがあると便利です。
手術後1~2日は麻酔の合併症(頭痛や吐き気)防止の為、あまり頭を起こす事が出来ません。
その際の水分補給にストロー付きのコップがあると結構助かります。(術後3日経つと不要ですが…)
他には目薬やティッシュ、ビニール袋などがあると便利です。
特にティッシュは多めに持っていた方が良いかなと思います。ビニール袋は汚れた下着類(シャツも含む)入れに2、3枚あると助かると思います。
スマホやパソコンを持ち込むなら充電器やバッテリーも忘れずに。動画音楽視聴する場合はヘッドフォンも必須でしょう。
入院生活
ここでは入院における体験を時系列に語ってみたいと思います。
痔で入院したらどういった事があるのだろうと不安な方や、過去に入院手術して同じ体験をされた方に共感してもらえれば幸いです。
入院前の診察で、事前に血圧測定や採血、心電図、レントゲン検査などがあります。
入院日当日
私は大腸内視鏡検査(病院によっては検査必須の所もあり!)は行わない為、午後からの入院となりました。
普段夜しか食事をしませんが、昼から絶食となる為、朝に簡単な野菜スープだけを食べて病院に向かいました。
病院に到着すると一連の説明を受け、荷物をロッカーや貴重品入れに仕舞い病衣に着替えます
夕方になり下剤(味はゲータレードぽっくて意外に美味しかった)を飲みました。私の場合はあまり効かず翌日まで便はありませんでした。
夕食の時間となり完全な液体の食事(10秒で完食)が出ます。
就寝までは水分を摂取(水かお茶限定)しても良いとの事だったので、空腹を紛らわすためお茶を1リットルくらい飲みました。
定期的に看護師さんが体温や脈拍、血圧などを計測し排尿回数の確認にきます。
明日が手術という事で不安とか色々ありましたが、耳栓のおかげでぐっすり眠る事が出来ました。
手術当日
手術は朝の8時半予定でしたが、7時頃点滴を打ちに看護師さんがいらっしゃいました。
体温・脈拍・血圧測定の後点滴を2本程打ち、点滴したままトイレに向かい浣腸を行います。
人に浣腸してもらうのは初めての経験だったのですが、それだけでなく出した便もチェックされるので、恥ずかしさMAXです。
看護師さんから排便OKと言われ、歩いて手術室に向かいます。
手術室に到着すると間もなく点滴も終了し、逆Y字型の手術台に腰かけて猫背の体制で待ちます。
私の場合は腰椎麻酔という下半身の麻酔を行います。
少しすると先生が入ってきて、背骨を触りながら消毒した後、注射しますという合図とともに針をブスっと背中に刺します。
事前に看護師さんから針を刺す際は逃げないで押し返すイメージとアドバイスされていたので恐怖心はありましたがそのようにしました。
思ったよりは全然痛くなかったのですが、針を刺した後ひんやりした液体が入ってくるのが確認でき、普通の注射と違って結構長く(10秒か20秒くらい?)感じました。
麻酔も終了し手術台にうつ伏せ状態となる訳ですが、即効性がすごいのかすでに足の感覚が麻痺している状態でした。
下着を脱ぎカゴに入れて手術台へ横になると、左手の人差し指に脈拍計、右腕に血圧計が装着されます。
右腕の血圧計は定期的に伸縮を繰り返し、一定間隔で血圧を測定します。
機器類が装着され、ピコンピコンと計測が開始されると、これから手術するんだなぁという実感がわきました。
先生の準備が整った所で「それでは手術を開始します」という声と共に始まりました。
恥ずかしさというよりは痛かったらどうしようという不安がいっぱいでしたが、何かしてる感じは分かるものの、全く痛くない為ほっとしました。
お尻を触ったり、引っ張ったりしてる感じではあるのですが、痛みがゼロなので不思議な感じです。
看護師さんが定期的に脈拍や血圧を記録していきます。
私は殆ど感じませんでしたが、肛門を広げて手術する為、下腹部に圧迫感や痛みがでる場合があるようです。
複雑痔瘻2か所と内痔核3か所切除だったのですが、手術時間は40分くらい(手術中は目の前の時計をずっと見ていました)で終了しました。
手術が終わると切除した部分を見せてもらいました。(気持ち悪いのであまり凝視しませんでしたが…)
出血した股の部分を綺麗に拭いてもらい、T字帯というフンドシの様な下着を着けられて、転がるようにストレッチャーに乗り換え、病室に運ばれます。
病室でも同様に転がるようにベッドへ移動します。私自身の感想としては、手術は思ったよりあっけなく終わったなぁという印象でした。(周りの病院スタッフさん達は大変だったと思います!)
ベッドに寝転ぶと再度点滴(抗生剤と止血剤入り)を打ちます。
この時は痔の手術なんて全然余裕じゃん(この後の激痛を知らず)と完全に舐めていました。
「絶対に頭を枕に付けた状態で起き上がらないで下さい!」と口酸っぱく看護師さんに言われていたので何もすることがなく、手術を乗り切ったという安堵感から少しウトウトしてしまいました。
点滴が終わった頃看護師さんが病室に来て、尿を出したくなったら呼んでくださいと言われました。
お昼頃となり体温・脈拍・血圧を測定に来られた際、もう水分を取っていいとの事だったので、事前に買っておいたお茶をストロー付きのコップに移してもらい飲みました。
この時点ではほんの少しであれば足を動かしたりは出来るのですが、長時間正座をしてしびれまくった足(触ってもくすぐったくはない)という感じです。
ちょっと膀胱が張ってきた感じがしたので、横向きで尿瓶にしてみる事にしたのですが「あれ、おしっこってどうやって出すんだっけ?」と錯覚する程、出す事が出来ません。
どうやっても無理そうなので、まだ麻酔が利いている内に尿道カテーテルで排出する(カテーテル挿入は全く痛みゼロでした)事にしました。
思ったより大量に出たので、看護師さんも驚いていたようです。
ガーゼも取り替えてもらい、再度安静状態となりました。
術後8時間が経ち歩いても良いとの事で、自力でお尻の洗浄とガーゼを取り換えにトイレに向かう事にしました。(結構ふらふら状態でした)
外したガーゼは血まみれで、ウォシュレットでお尻をくまなく洗浄してみましたが、トイレが真っ赤になるくらい出血しているので「なんじゃこりゃ!」と叫びたく(古くてすみません)なりました。
ガーゼは何枚か重ねて自分で装着するのですが、最初は慣れていないのもあって苦戦しました。
夕方を過ぎた辺りから徐々に痛みが襲ってきます。
痛み的には肛門から完全に痔が出た状態で腫れがMAXの痛みがずーっと続くような感じです。(やけどやひどい擦り傷がむき出しの状態で肛門にある感じ)
痛み止めを飲んでも術後10時間後には痛みに耐えられなくなり、ナースコールしてしまいました。
痛み止めを打つことになり、お尻に太目な針の筋肉注射をします。(注射は結構痛かったです…)
注射を打って暫くすると、意識が朦朧となり猛烈な眠気が襲ってきます。
痛みが消えるというよりは、意識朦朧で分からなくなるという感じでした。
そのまま気が付くと寝てしまいました。何度か看護師さんが様子を見に来てくれていた感じはするのですが、はっきり覚えていません。
意識朦朧の中、しばらくご飯を食べていないので、早く飯食いたいなと考えていると気が付いたら朝になっていました。
術後翌日
朝目覚めると激痛が体を襲ってきたので、早速痛み止めを飲みます。
何とか痛さを我慢しながらトイレに向かい、お尻の洗浄とガーゼの取り換えを行います。
やはり出血は多く「なんじゃこりゃ!」状態です。
座ったまま尿を出してみようと思うのですが上手く出せないので、立ってしてみると何とか出す事が出来ました。
病室に戻ると早朝の検温・脈拍・血圧測定を行いました。
定期的に看護師さんが巡回に来てくれるのですが、その際に排尿回数、排便時間と便状態、痛み止め服用時間を伝えます。(渡されたノートへ事前に自分で記録しておきます)
その後暫くして念願の朝食が運ばれてきました。
もう空腹MAXだったので、ジャッキーチェン映画の食事シーンの如く、出てきた瞬間貪り喰ってしまいました。(他の食事は思い出に写真を撮りましたが、最初の食事だけは撮れませんでした)
病院食って薄味で美味しくないイメージだったのですが、痔専門病院だからなのか、この病院が特別なのか分かりませんが、滅茶苦茶味がしっかりしていて最高に美味しかったです!
1日1食生活の人間が毎度3食が楽しみでしょうがなくなるくらい、私の好みにドストライクでした。(しかも焼き魚など出た場合は極小の骨すら1本もない程手間がかかっています)
1日1食の記事にご興味があれば下記を読んでみて下さい。
この美味しさに反比例して、この後食べる事への恐怖感が芽生えるとは思いも寄らなかったです。
麻酔後の合併症(頭痛や吐き気)にならない為に今日も出来る限り寝ていて下さいとの事だったので、食事とトイレ(ガーゼ取り換え含む)以外は極力寝て過ごしました。
痛みもかなりあるので、6時間おきの痛み止め服用はかかせません。
あと出血と分泌物がかなり多いので3時間に1回くらいトイレでお尻洗浄・ガーゼ交換が必要となります。
暫くして看護師さんが巡回に来られ、点滴(抗生剤と止血剤入り)を打ちました。
昼食を終えた頃には、立ってする排尿はほぼ問題なく出来るようになっていました。(人によっては出にくく苦戦する方もいらっしゃるようです)
但し大便に関しては、とても出来るような感覚ではなかったです。
少しいきむととんでもない激痛が襲ってきて、何よりも肛門が裂けるんじゃないかという恐怖心があり、中々出す事が難しいです。(血混ざりの水みたいなものが限界でした)
正直入院期間を通して一番辛かったのは、この排便行為です。
もう手術翌日は1日中痛いという感想しかないです。
いつまでこの痛みが続くのだろうという不安を抱きながら就寝しました。
術後2日目
早朝の定期検査の後、朝食を済ませ、点滴打つという昨日の流れと一緒でした。
今回は点滴中に針を刺した部分が痛んだと思ったらぷっくり腫れていたので、焦って看護師さんを呼出しました。
血管から外れて液が漏れていたようで反対の手に点滴をしてもらいました。
膨れている所はしばらくすると吸収されるので大丈夫ですとの事で安心しました。
今日は点滴を終えた後先生の診察があり待合室で順番を待つのですが、普通の椅子だった為かなり辛かったです。
術後の経過を見た後、今日からお風呂とシャワーに入って温めて清潔にして下さいと説明を受けます。
痔瘻の傷跡にガーゼが挿入されたままになっているのですが、そのままお湯の入った湯船に浸かって良いとの事でした。
昼食後お風呂の前に排便チャレンジしてみたのですが、きばると脳天を貫くような激痛と恐怖心で指1本分が限界でした。
そろそろ入院して5食も食べているので、もっと出さなければというプレッシャーがかかってきます。
その後予約されていた時間に着替えをもってお風呂に向かいます。(取り換え用のガーゼも忘れずに)
予約時間より少し早めに行って、湯船にお湯を溜めておきます。(お風呂は人が使うたびに掃除が入ります。)
久々に頭を洗い、直接シャワーの水流が当たらない程度にお尻を綺麗にした後、湯船に浸かります。
最初は傷口に沁みたらどうしようと考えていましたが、まるで天国にいるかの如く、痛みが和らぎいつまでも湯船に浸かっていたい気持ちになりました。
共同なので制限時間があり、その気持ちを抑えつつお風呂を後にします。
お風呂のおかげで暫くはお尻の痛みが楽になりました。
夕食後再度排便チャレンジを決行します。
ウォシュレットの温水で刺激しながら、気が遠くなるような超激痛に耐え限界までいきんでみるとやっと片手弱くらいの排便をする事に成功しました。
ただ出し切った感覚はなく、結構残っている感じはしたのですが、痛みで冷や汗が出てきたのでここまでが限界でした。
お風呂で一時的に痛みが軽減されましたが、痛み止めと睡眠導入剤を服用し就寝します。
術後3~5日目
早朝ガーゼを取り替えて戻ってきたタイミングで定期検査と報告を終えると、点滴がなくなるかわりに今日から肛門の腫れや炎症を防ぐ薬と軟便薬が処方されます。(朝夕の食後に服用)
朝食が出てきて相変わらず美味しい!と感じる一方で、食べたらその分出さなければいけないというプレッシャーが襲ってきます。
意を決してトイレに向かうものの、ちょっといきんだだけで襲ってくる激痛と肛門を開く恐怖感で、やはり指一本分しか排便できませんでした。
昼食後天国のお風呂で少し楽になった後、夕方に先生の診察がありました。
ちょっとお腹が張ってきた旨伝えると「そろそろ便出さないとね」と言われ肛門の触診を受けました。
手術前の触診とは違い、とんでもない激痛です。(もう2度と味わいたくない!)
下剤を注入するので1時間我慢して下さいと言われ、診察を終えます。
30分後くらいから徐々にお腹が痛くなり、これなら出せるかもという予感がありました。
痛みに1時間耐えトイレに駆け込んで一気にいきむと、叫んでしまいそうな痛みと共に片手一杯程の排便に成功します。
ただこの時点でも出し切ったという感覚ではなかったのですが、ひとまず出たことに安心します。
その後この時の激痛がトラウマとなり、やはり満足に排便できない状態が続きます。
出血は多少減ったものの分泌物は多い為、最低4,5時間に1回はガーゼを取り替える生活でした。
痛み止めと睡眠導入剤は手放せない状況でしたが、パソコンでちょっとした作業位は出来る状態にはなりました。
術後4日目くらいに痔瘻の傷跡に挿入されたガーゼが外れかけていたので、除去してもらいました。
術後6~9日目退院
少し前までは6時間毎に飲んでいた痛み止めの服用は、徐々に時間間隔が空いても我慢できるようになってきました。
出血もかなり少なくなってきており、べたべたした分泌物の方が目立つようになってきました。(4、5時間に一回のガーゼ交換は必要)
排便での苦戦は相変わらずで、トイレに行く前の痛み止めは必須です。
なるべく出しやすくする為多めの水分を摂取していましたが、お尻に下剤を入れた時ほど出す事は出来ないでいました。
排尿に関しては座ってする事も問題ない程になっているのに、どうしても大便だけは難しいのです。
退院予定日も近づく中、排便出来ないプレッシャーが徐々に高まります。
退院予定日前日となり、もう少し入院を延長するか先生に尋ねられました。
予定通り退院したい旨伝えると、再度肛門から下剤を投入しますとの事で、あの激痛を味わう事となります。
看護師さんからは排便出来たら呼出(トイレにもナースコールが付いている)して、便をチェックさせてくれとの事でした。
下剤投入40分後くらいから入院中味わったことがないくらいの便意を催し、1時間後に便所にダッシュで駆け込みました。
この時の苦しみは何とも表現し難いのですが、猛烈な下痢の痛みがある中で肛門に栓をされ排便できない状態と言ったらお分かり頂けるでしょうか。
いきむと激痛、便を我慢しても激痛で本当に気絶してしまうんじゃないかという状況でした。
どうしても出せずに看護師さんを呼出すと、それでは浣腸の準備をしますと言って戻ってしまいました。
待っている間さらにトイレでもがいて、もう限界点突破状態で半分立った状態になった時、猛烈な勢いで大便が排出されました。
もう雄叫びをあげるくらいの激痛と全て出し切った爽快感が入り混じった感覚でした。
すぐに看護師さんを呼出し、多量に出た便をチェックしてもらいました。(めちゃ恥ずかしい…)
帰宅してからスムーズに出せるか不安はありましたが、退院OKの承諾を先生から頂きました。
退院日となり自宅での薬を処方(入院中に服用していた肛門の腫れ・炎症防止薬、軟便薬、痛み止め、睡眠導入剤、ガーゼ&テープ)して頂き、部屋の片づけをしてお金の清算をします。
看護師さんに見送られながら、手術・入院を無事乗り切った満足感の中、電車では座るのに苦労しましたがなんとか帰宅しました。
自宅療養
何とか予定通り10日間の入院生活を終え、自宅へと戻ってきました。
退院と言っても痛みは結構残っているし、退院後2週間はお酒、運動、刺激物は禁止となります。
入院中はよく見る事が出来なかったので、帰宅早々鏡でお尻の状況を確認してみた所、あまりの痛々しさにびっくりしました。
痔瘻の部分(こちらは見た目ほど痛くない)はクレータのようにえぐられたようになっており、肛門は何か縛ったような跡がある状態でした。
病院では退院日基準ではなく、術後基準なのでそちらの表記で回復度合いや状況を説明していきたいと思います。
術後2週間後まで(退院から5日後まで)
退院前にあれだけ苦戦したので自宅での最初の排便はかなり恐怖でしたが、痛みはあったものの問題なく出せるようになっていました。(まずは一安心)
出せるようにはなりましたが、固い便は怖いので軟便薬は飲み続けました。
普段の痛みは少し楽になりましたが、たまに痛み止めを飲むような状態です。
出血はかなり少ないのですが分泌物がまだ多い為、自宅でも5,6時間に1回はガーゼ交換必須です。
自宅では交換のタイミングで熱めのシャワーを肛門に当て、洗浄していました。(これがかなり痛みの緩和になります)
退院後5日目となり、受診する為病院に向かいます。
回復を見る為肛門に指を入れて触診されるのですが、まだ手術の後遺症でかなり痛いです。
問題は無さそうとの事で安心はしましたが、1週間後にまた見せてくれと言われ、また触診される恐怖を頂きながら帰宅しました。
術後3週間まで(退院から約2週間まで)
この時期になると排便時の痛みはかなり和らぎ、いつの間にか痛み止めも軟便薬も飲まなくて良い状態(肛門の腫れ・炎症防止薬はなくなった)となっていきました。
ただ出血はほぼ無いものの、お尻からの分泌物は出ていますので、定期的なガーゼの交換は必要です。
先週まではガーゼ交換の度にシャワーで洗っていましたが、体拭きやお尻拭きでも良い感じ(多少拭いてもそれ程痛くなくなってきた為)になっていました。
ただこの時期は痛みがかなり減った分、肛門がむず痒くなります。直接ボリボリ掻く事は難しいので、痒い時は強めのシャワーで洗いました。
前回の診察から1週間が経ち再度受診しましたが、やっぱり触診はまだ痛いです。
順調に回復しているという事だったので、お酒や運動など普段通りの生活しても大丈夫と診断されました。
もうお酒は飲まなくても平気な感じではありましたが、家に帰って早々、久々にお酒を飲んでしまいました。
術後1ヶ月後(退院から約3週間まで)
この時期になるとかなり分泌物も少なくなり、ガーゼの交換頻度は1日2,3回という状況となりました。(人によっては殆どなくなっている場合もあるかも知れません。)
排便については痛みは殆どなく(0ではない)、トイレットペーパーで拭くのも問題ない状態でした。
ただ痔瘻や肛門の傷口が治ってきているせいなのか、座って股を開くと皮膚が突っ張る感じがあります。
たまに肛門がむず痒くもなるので、その場合はウォシュレットかシャワーで洗うと痒みが緩和されました。
丁度術後1ヶ月経った所で受診に伺いました。
後1回か2回通院でほぼ大丈夫との事で、次回は2週間後に来て下さいと言われました。
この時点では完全回復ではありませんが、ほぼ生活には支障ないぐらいの状態なので、体験談はここまでとします。
まとめ
恥ずかしさと不安の中痔の手術を決断し色々苦労はありましたが、今はとても快適で治療して良かったと実感しています。
入院時の苦悩や苦痛など赤裸々に語ってしまったので、もしかしたら治療を戸惑ってしまうという方もいらっしゃるかも知れません。
ただ治療せず一時凌ぎの処置で胡麻化して生活していくより、しっかり治療して治してしまった方が、その後は快適な日々が待っていると思います。
もしかしたら早めの治療であれば手術する事なく終わる可能性もありますし、私程悪化せずに済むかも知れません。
前編でもお伝えしましたが、痔の治療は総合病院ではなく、断然肛門専門病院をおすすめしたいです。
患者さん全て同じ病ですし、看護師さんもそういった症状の方ばかりを見ているので、恥ずかしさがかなり軽減されると思います。
もちろん先生もその病気に特化した経験を積んでいるので、安心して任せられるというのもあります。
正直いつも笑顔で嫌な顔一つせず、お世話をして頂いた看護師さん達には頭が下がる思いです。
また今までの不自由な生活が嘘のように快適になり、治療して頂いた先生は神様かと錯覚してしまう程でした。
記憶が薄れない内に一気に書いた文章なので、読みにくい部分も多々あったかと思います。
この記事で一人でも痔の治療をしてみようと感じたり、同じ経験を味わってそんな事あったなぁーと共感してもらえたら嬉しく思います。