電気量販店のポイントで買ったワイヤレスイヤホンは持っているのですが、外出先であまり邪魔にならない完全ワイヤレスイヤホンが欲しくなり、最近ちょこちょこ検索していました。
下記の過去記事で触れているので参照にして下さい。
過去記事内でも触れた通り、出来ればゼンハイザーの完全ワイヤレスイヤホンが欲しかったのですが、両方独立しているだけに失くすリスクを考慮すると、高価なイヤホンを買うのはちょっと躊躇ってしまうんですよね。
そこでなるべくリーズナブルで、出来ればアクティブノイズキャンセリング機能が搭載されたワイヤレスイヤホンをAmazonで検索してみると…あれ?結構安いのあるじゃんと思いながら物色していました。
皆さんお察知の通りANC搭載、高音質などと記載され激安で売っているのは、大抵が怪しい中華製イヤホンなんですよね。
中には本当に記載通りの機能があり、音質も悪くなく、とんでもない掘り出し物があるかも知れませんが、価格が安いとは言え博打的な事はしたくありません。(Amazonレビューはまともに信用できない事もあるし…)
お金に余裕出来るまで我慢するかと諦めかけていた所、見た目は某リンゴ社のイヤホンに似た完全ワイヤレスイヤホンを発見しました。
よくある中華製の偽物ではなく、日本企業の製品で中華製と大差ない価格(某リンゴ製品の約1/10)で販売されています。
今回は諦めた心が再熱し迷うことなくポチってしまった、多摩電子工業の「Permier AIR PRO」(PR-BS70W-SLP)をご紹介したいと思います。
多摩電子工業とは
多摩電子工業株式会社は1976年創業の神奈川県川崎市に本社を置く日本企業です。
イヤホンやスピーカ等のオーディオ製品の他、PCやスマートフォンのアクセサリや充電機器関連、車専用アクセサリなども販売しているようです。
昨今コンビニで売っている低価格のイヤホンやスマホアクセサリは馬鹿に出来ないなんて言われていますが、そうあのコンビニでよく目にする各種製品は多摩電子工業の物が多いんです。
ちなみに今やコンビニエンスストアでのシェアがトップランクだそうです。
もちろんコンビニ等にも商品を卸している企業ですから技適など日本の審査基準をクリアしている製品なので、安心して使用できます。
詳しくは「多摩電子工業株式会社公式サイト」をご覧ください。
Permier AIR PROイヤホンの概要
小型スピーカー「品番:PR-SK95CK」にも「Permier AIR PRO」という名称が付けられていますが、今回ご紹介するのは「品番:PR-BS70W-SLP」の完全ワイヤレスイヤホンです。
こちらが本体及び付属品一式となります。
- 左用右用イヤホン本体
- 充電クレードル
- 交換用イヤーパッド
- USB TypeA⇔USB TypeCケーブル
- ペアリング接続ガイド
充電クレードルに収納するとこんな感じです。
低価格帯のBluetoothイヤホンにも関わらず機能がてんこ盛りな「Permier AIR PRO」の代表的な特徴を10個挙げてみたいと思います。
ANC機能搭載
まず何と言ってもアクティブノイズキャンセリングが標準で搭載されているのが一番の特徴でしょう。
ご存じの方も多いと思いますが、アクティブノイズキャンセリングとは搭載しているマイクで周囲の雑音を収音、逆位相の波形音を作り出し打ち消す事によって外部のノイズを低減させるシステムです。
ANC機能は比較的高価なイヤホンやヘッドフォンじゃないと搭載されていないのが通例ですが、3,000円前後しかも日本メーカーのイヤホンというのは他にないと思います。
外音取り込み機能搭載
ANCとセットになっている事が多いですが、こちらのイヤホンにも外音取り込み機能(アンビエントモード)が搭載されています。
こちらの機能をONにする事でANCとは逆にマイクで周りの音を収音し、イヤホン装着中でも外音を聞き取りやすくします。
外出時にイヤホンで耳を塞いでしまうと危ない為、この外音取り込み機能があると便利かも知れません。
SBC/AACコーデックに対応
BluetoothコーデックとしてAACに対応しています。
AACコーデックの対応は今となっては特段に凄いという訳ではありませんが、比較的安いBluetoothイヤホンではSBCのみしか対応していない製品も多くこの価格帯なら十分合格点でしょう。
Androidスマホでより低遅延・高音質を求める方には物足りないかも知れませんが、主にiPhoneなどのApple製品で音楽を聞く方にはAAC対応は非常に有難いと思います。
Bluetooth5.2の通信方式
Bluetoothバージョン5.2は現時点ですでに最新バージョンではありませんが、Ver5.2では特にオーディオの高音質化と低遅延が改良されたので、比較的新し目の通信方式に対応しているのは嬉しい点です。
実際Bluetoothは短い間隔でマイナーアップデートされるので、常に最新じゃないと使えないとかではないし、イヤホンだけでなく双方で対応してないと意味がない為、現時点ではver5.0以上であれば及第点かと思います。
正直低価格のイヤホンとしては必要十分なBluetoothのバージョンではないでしょうか。
低遅延のゲームモード搭載
Bluetoothイヤホンのネックとなるのが遅延の問題ではないでしょうか。
音楽を聴く場合はそれ程気にはなりませんが、ゲームや配信動画視聴などでは特に重要な要素の一つです。
古いBluetoothイヤホンでYoutubeなどを視聴していた頃は、腹話術で有名ないっこく堂氏のパフォーマンスのように声と映像が合わず、すごい違和感があったのを覚えています。
Bluetoothのバージョンアップでかなり遅延の問題は解消されてきていますが、このイヤホンにはより遅延を軽減するゲームモードが搭載されています。
スマホでゲームをする方には嬉しい機能かと思います。
まぁ実際FPSや音ゲーなど1秒未満の反応に影響が出るゲームをプレイするのであれば、有線イヤホンの使用が必須かもしれませんが…
防水仕様はIPX4
防水性能としては生活防水のレベルのIPX4ではありますが、外出先での雨や暑い時期の汗などある程度防いでくれるので安心かと思います。
さすがに水没などには厳しいですが、普通に使う分にはそこそこの防滴性があるのは有難いです。
より高い防水性能があったとしても、電子機器を意図的にあまり水にさらさない方が良いというのが個人的な意見です。
タッチコントロール機能を搭載
低価格のイヤホンなのにタッチコントロールでの操作が可能です。
使い方に関しては後述しますが、操作によっては日本語での操作案内が流れます。
音量調節は出来ませんが、再生・停止や曲送り・曲戻し、着信受け・通話終了、各種機能のON/OFFなどタップ回数やタッチ時間等で操作が可能です。
また1タップでの操作がない為、比較的誤操作しにくい仕様というのも特徴的でしょう。
高音質な口径10mmドライバー
ワイヤレスイヤホンとしては大き目の10mm口径ドライバーを搭載しています。
イヤホンは構造的にどうしても大口径ドライバーは搭載しにくいですが、なるべく重低音で迫力が出る大き目のドライバーが欲しい所ではあります。
左右独立したイヤホンで10mmの口径は十分合格点ではないでしょうか。
音質の良し悪しは別にして価格が高めな製品であっても、このイヤホンよりドライバー口径が小さいものは数多くあります。
安い価格帯でも細かい所で妥協しない姿勢は評価したいというのが正直な気持ちです。
片側イヤホン単独使用可能
こちらのイヤホンは左右どちらでも単独で使用する事が可能となっています。
当然音声はモノラルとなりますが、片耳を塞ぎたくない状況や通話だけで利用したい場合など色々と便利な場面があるかも知れません。
充電クレードルから取り出す順番でイヤホン左右どちらかのペアリングが優先される仕様なようです。
最大8台までペアリング登録
初回接続時に出力端末とペアリングする事で、次回以降充電クレードルから取り出すと自動的に接続されるようになります。
最大8台までの機器をイヤホンに登録する事が可能なようです。(登録した機器は確認できないので…)
新しい機器とペアリングしたい場合は、すでに登録済みである端末のBluetooth設定を一旦OFFにしてから接続する必要があります。
Permier AIR PROの使い方
それでは「Permier AIR PRO」の簡単な使い方について解説したいと思います。
詳しい説明・操作方法は本体外箱裏面にあるQRコードもしくは公式サイト「Permier AIR PRO取扱説明書」ページからPDFファイルをダウンロードして下さい。
スマートフォン等との接続方法
接続方法は取り分け他のBluetooth機器と大差ありません。
お使いのスマートフォンの設定からBluetooth項目を選択しONにします。(画像はiPhoneの設定画面となります)
充電クレードルからイヤホン本体を取り出すと「電源が入りました」「ペアリングしています」という音声案内が流れます。
スマートフォンの画面に「SOUND LIBERTA PRO」と2つ(恐らく左右独立している為と思われます)表示されるので、どちらかをタップします。
接続済みとなると音声案内で「スマートフォンと接続しました」とアナウンスされます。
iPhoneの場合は「i」の部分をタップし「デバイスタイプ」から「ヘッドフォン」を選択しておきましょう。
特に専用アプリとかはない為、音質が気になる場合には設定の「ミュージック」からイコライザーを選択し好みの設定に変更して下さい。(iPhoneの場合)
個人的にイコライザー設定は得意でない為、私はいつもオフにしています。
タッチコントロール操作方法
タッチ操作方法を下記表を参考にして下さい。
操作方法を覚えるのも必要ですが、使用感としては慣れが必要と感じました。
タッチ操作 | 左用イヤホン | 右用イヤホン |
---|---|---|
2回タップ | 曲再生/曲停止 着信時通話/終話 |
曲再生/曲停止 着信時通話/終話 |
3回タップ | 曲戻し | 曲送り |
4回タップ | ゲームモードON/OFF | ノイズキャンセル・アンビエントモードOFF |
6回タップ | 設定初期化 | 設定初期化 |
2秒間タッチ | ノイズキャンセル/アンビエントモード ON・切替 |
ノイズキャンセル/アンビエントモード ON・切替 |
各種LEDランプ表示について
イヤホンを充電クレードルに収納すると上図のようにLEDランプが点灯します。
イヤホンの充電が完了すると消灯します。
充電クレードルを付属のUSBに接続し充電開始されると、充電中はLEDランプが点滅します。
充電完了すると点滅から点灯に変わります。
機器と未接続時でのイヤホン本体は、親機と子機とでLEDランプの点滅方法が異なります。
親機は早い点滅で子機は少しゆっくりな点滅(約2秒間隔)をします。
機器と接続が完了するとかなりゆっくりな間隔の点滅(約5秒間隔)に変わります。
まとめ
今回は低価格なのに機能盛沢山しかも日本製の「Permier AIR PRO」のご紹介でした。
何か突出して性能が良いとか音質がめちゃいいとかではなく、高級ワイヤレスイヤホンに搭載された様々な機能が使えてバランスに優れているというのがしばらく使用してみての感想です。
私はあまり鋭い音感の持ち主ではありませんが、価格帯のイヤホンとは思えない程十分に音楽を楽しんでいます。
気に入った点をまとめると…
- ノイキャン付きイヤホンとしては激安
- 外音取り込み機能は便利
- 遅延はあまりない
- 音質はクリアでフラット(好みは分かれます)
- 日本語音声案内なので使い方簡単
- 充電端子はUSB-C
逆に気になった点は…
【気になった点】
- 充電クレードルから本体を取り出しにくい
- ANCはそれ程強力ではない
- 専用設定アプリがない
- タッチ操作はやや難しい
兎にも角にもiPhoneをはじめApple製品をお持ちでリーズナブルなANC付きワイヤレスイヤホンを探しているとか、音質はそこそこ(悪くはない)でも色々機能が使える左右独立型カナル式イヤホンが欲しいという方にはピッタリな製品かと思います。
日本メーカーの完全ワイヤレスイヤホンとしては破格の価格設定ですし、外出時にもあまり邪魔になりにくいイヤホンなので、怪しいイヤホンを買って冒険するくらいなら是非一度検討してみては如何でしょうか。
HIFIMANの技術によってより高音質にチューニングされた後継機の「Permier AIR PRO PR-BS80K Tuned by HIFIMAN」も発売されているようです。