大き目の両手鍋が欲しくなり色々探していると、口コミも良いアイリスオーヤマの無加水鍋が目に留まり、値段もそれ程高くなかったので購入してみました。
鍋と言っても様々な形状や材質・コーティング、重いものから軽いものまで選びきれない程ありますが、なぜこの両手鍋を購入するに至ったか、そして使ってみて良かった点・気になった点などを含めてレビューしてみたいと思います。
コンパクト鍋ながらデザインや性能、取り回しに優れた「マイヤーエイトクック マルチポット」の記事は下記を参考にして下さい。
アイリスオーヤマ無加水鍋購入の経緯
大きくはないですがアルミの鍋やホーローの鍋(安いやつ)、土鍋など持っていて絶対に必要なものではない為、長い間使い勝手の良い鍋を検討はしていましたが、購入には至りませんでした。
他の調理器具ご紹介記事で度々カレーを作っているのでお分かりになると思いますが、私はカレーが大好物です。
食材のカットは多少面倒い部分もありますが、適当に作っても市販のルーさえあれば大体美味しく出来るので、とてもよく作る料理の一つです。
ただカレーは作っても後片付けが結構面倒ですよね。
鍋の周りをキッチンペーパーなどで拭き取った後、中性洗剤とスポンジでゴシゴシ洗うのですが、いつまでもカレーの匂いや汚れが取れず、大変だったりします。
場合によっては食材を炒めたり、再加熱した際に出来る鍋底の焦げを取るのにも苦戦したりします。
アルミの鍋だと高確率で焦げ付きますし、ホーロー鍋も炒めたり汚れを何度も落としていると内側が傷だらけになってしまったのもあり、メンテナンスが楽な鍋がないか検討を始めました。
鍋の材質に悩む
鍋の購入を検討するにあたって、まず最初に鍋の材質について悩みました。
先ほどもお話ししましたがアルミ(コーティング無し)とホーローは持っている為、それ以外となるとステンレスか鉄ということになりますが、ステンレスは熱の伝導が悪く中々煮えにくいと聞くし、鉄はやはり重すぎるのでどうしたものか…。
そこで最初に興味が湧いたのがステンレス多層構造の鍋です。
所謂ステンレスの熱伝導率の悪さをアルミとの多層構造にする事で欠点を補い保温性も高いという代物です。
有名どころだとビタクラフト(Vita Craft)やフィスラー(Fissler)、日本製なら宮崎製作所のジオシリーズをご存じの方も多いと思います。
購入候補に挙がったのはビタクラフトならオレゴンシリーズやアリゾナシリーズ。
宮崎製作所のジオシリーズでは22cmのポトフ鍋です。
ビタクラフトのシリーズとしては比較的安い価格で、宮崎製作所のジオもめちゃ高いという訳ではありませんが、絶対必要なものでない事を考えると、1万円近い商品を購入するに至りませんでした。
ステンレス多層構造鍋は大事に使えば一生ものかも知れませんが、趣味程度の料理なので踏ん切りはつかないというのもありました。
コーティングに悩む
現在フライパンや鍋のリーズナブル価格で販売されている商品(高いものもありますが…)の多くはフッ素コーティングをされた物だと思います。
ダイアモンドやマーブル、テフロンなど様々な種類のフッ素加工がありますが、やはり気になるのが有害物質の発生かと思います。
私も手持ちのフライパンの一つにフッ素加工のものもありますが、新品の時は全く焦げ付かず汚れ落ちも良いのですが、徐々にコーティングが剥げてくるので、定期的に買い替えて使用しています。
炒めてから煮込んだりする料理の場合、どうしても有害物質が発生するフッ素樹脂が剥がれるのが気になってしまうんですよね。
ガラスを焼き付けたコーティングであるホーローも使っていますが、煮込んだりするだけの料理には良いのですが炒めると結構焦げ付きますし、焦げを落とすのに気を使わないと傷だらけになってしまいます。
また鉄製で重いので洗う時結構疲れます。
めちゃ高価ですが人気の高いストウブ(STAUB)やル・クルーゼ(LE CREUSET)などは試した事ないのでよく知りませんが…
そこで次に目を付けたのが有害物質が発生しないセラミックコーティングの鍋です。
あの速水もこみちさんも最近はセラミックコーティングのフライパンや鍋を使っているので、ちょっと興味が湧いたのもあります。
持ち手に悩む
鍋の持ち手部分って洗う時に結構邪魔だったりします。
また鍋の内側に持ち手部分との留め金があると、その部分が錆びたり汚れが入り込んだり、使っていくうちに緩んだりするのがすごく気になってしまいます。
鍋が熱くなっても持ちやすいプラスティックカバーのものやステンレスのものなどありますが、個人的には見た目的にステンレスむき出しの方がおしゃれに感じます。
全て金属製であればそのままオーブン調理出来る製品もあったりします。(オーブン持ってないのでやりませんが…)
洗う事や衛生面を考え、持ち手は本体と一体型(金具などで留まっていないタイプ)でプラスティックのカバーなどないものを検討するようになりました。
アイリスオーヤマ無加水鍋に決定
これらの悩みを総合的に考慮した結果、アイリスオーヤマの無加水鍋24cmを購入する事に決めました。
無加水調理にはそれほど関心はなかったのですが、少量の水で茹でたり蒸したり、ご飯も炊けたり出来るので、さらに購買意欲を掻き立てられたのはあります。
発売は随分前で新しい商品ではないですが、口コミも多く評判もまぁまぁ良かったので、Amazonでポチってしまいました。
価格的には激安ではありませんが、私が買ったタイミングでは価格も少し安くなっており、カレーを作っても汚れが目立ち難そうなオレンジを選択しました。
アイリスオーヤマ無加水鍋の概要
それではアイリスオーヤマのセラミックコーティング無加水鍋の概要と言うか、特長を説明したいと思います。
YouTubeの公式サイト動画も参考にどうぞ。
古めの動画なので見づらいですが、大まかな特徴は分かると思います。
付属品
まずはこちらが同封された本体と付属品です。
- 鍋本体
- 専用蓋
- シリコン製取っ手
- 使用上の注意事項
- 取扱説明書
- レシピ本
鍋の蓋は特殊な構造をしており、蒸気切り替えレバーが付いています。
本体を持ち運ぶ用(調理中は装着NG)のシリコン取っ手も付属しています。装着時は表裏の向きがあるので注意。
レシピ本の中身は無加水調理のやり方の他、
様々な料理のレシピが書かれています。
様々な調理方法に対応
何と言ってもこの鍋の特長として、焼く・煮る・炊く・蒸す・炒める・茹でるといった6通りの調理方法に対応しています。
同時に何品も作るとかでない場合は、極端な話この鍋一つあれば事足りますし、料理によってわざわざ鍋を引っ張り出して使い分けなくても済んでしまったりします。
また何か炒め物をする場合は、フライパンですと知らないうちに油が飛び跳ねてレンジを汚してしまったり火傷したりする事もありますが、鍋で底が深いので油跳ねが比較的少ないのも何気に良いです。
セラミックコーティングによる遠赤外線効果でご飯はふっくらと仕上がり、鍋全体に効率よく熱が伝わるので煮込み料理の時間短縮やおいしさもアップするそうです。
少ない水で調理出来る
無加水鍋と謳っていますが、完全無水で調理できるという訳ではありません。
ですが先ほどのレシピ本画像にもある通り、野菜など水で洗ってそのまま鍋に放り込むだけで、野菜についた水分だけで蒸す事が可能です。
カレーの場合、肉などを炒めて野菜を投入して蓋を閉めて暫く煮込むと野菜から結構水が出てくるので、水は少な目で作ることが出来ます。野菜のうまみが浸み込んだ水分が沢山出るので、コクのあるカレーになります。
ストウブ(STAUB)の鍋蓋の様に、蓋の裏面がブツブツした突起が複数ある為、水蒸気が鍋内で循環する仕組みとなっており、食材のうまみが閉じ込められ料理が美味しくなるそうです。
セラミックコーティングで洗うのが楽
まだ使い始めで間もないですが、思っていた以上にセラミックコーティングの水弾きはフッ素樹脂加工と大差ないです。
車のガラスコーティングしたばかりの状態のように、鍋本体も蓋も水を弾きます。
炒めたりもしましたが焦げ付きは全くなく、水だけで汚れが落ちてしまう程コーティングは強力だと感じました。
一応衛生的に中性洗剤とスポンジで洗いますが、汚れのこびり付きが全くないので、洗うのが楽だと思います。
アルミ製なので比較的軽量
鍋自体はアルミニウム合金なので比較的軽く、取っ手がない為洗いやすい構造をしています。
熱伝導率が高いアルミ製である為、熱効率が高くガス代の節約にもなります。
容量満タンだとさすがに重くなりますが、食卓への持ち運びも比較的楽かと思います。
アイリスオーヤマ無加水鍋を使ってみた感想
実際に使用してみて良かった点、気になった点をまとめたいと思います。
良かった点については概要で述べた部分と重複しますが、率直な感想を書いてみたいと思います。
卓上で大容量の鍋を堪能したい場合には、山善のIHクッキングヒーターでこの無加水鍋を使用しています。下記記事もご参照ください。
良かった点
カレーを作ってみましたが、野菜から出たうま味タップリの水分でいつも以上にコクがある美味しいカレーに仕上がりました。
またあまり長時間煮込んだ訳ではないのですが、肉や野菜にしっかり熱が通ってふっくら柔らかいと感じました。
炒め物では当然鍋をあおったりは出来ませんが、油跳ねが少なくヘラでかき混ぜながら野菜をシャキシャキに調理する事が出来て非常に便利という感想です。
そして何と言っても洗う時の便利さです。
カレーも油物もサーっと水で流せば見た目的にはすっきり汚れが落ち、洗剤を付けたスポンジで軽く洗うだけで済むので、時間短縮と節水になると思います。
鍋の外側もセラミックコーティングされているので、火にかけても今のところ焼き焦げた痕が付く気配がなく、綺麗さを保っています。
こちらはおでんを作った時の画像ですが、おでんって煮込むと具材が膨らんでよく吹きこぼれてしまうんですよね。
ですがこの鍋だと構造的な理由か分かりませんが、吹きこぼれ難いと感じました。
気になった点
まずは洗った後に蓋をして放置しておくと、料理とセラミックコーティングが合わさった臭いなのか分かりませんが、鍋にこもっているのが非常に気になりました。
洗った直後は感じなかったのですが、もう一度洗っても臭いが取れず、結局キッチンハイターを薄めたスプレーを噴射した後しばらく放置し水で流したら臭いが取れました。
暫く使用していく内にこの臭いが出なくなる事を願っています。
もう一点としては、シリコンの取っ手が不安定な点です。
鍋の構造上、温めた直後はシリコンの取っ手を付けないと熱くて持てないのですが、軽く引っ掛けるだけのシリコン取っ手なので、傾けたりすると簡単に外れてしまいます。(しかも裏表間違えるとかなり危ないです!)
鍋の残りを器に傾けて入れるという場合は、鍋つかみや耐熱グローブなどで鍋を持つことをお勧めします。
まとめ
今回はアイリスオーヤマ無加水鍋を紹介させて頂きました。
私自身セラミックコーティングの鍋は初めての体験で、しかも無加水調理まで出来るこの鍋にかなり期待をしていました。
色々な調理法に対応している点や料理自体の味や仕上がり、洗う手軽さなどかなり気に入っている点はあるものの、あの臭い残りさえ解消すれば完璧というのが正直な感想です。
一応キッチンハイターで臭いが取れたので、今後もメインの鍋として使っていきたいと思います。
近いうちに炊飯にもチャレンジしてみたいと思います。
ちなみにブランド名はアイリスオーヤマとなっていますが、鍋自体は韓国製のようです。形も材質もそっくりなので「ROICHEN」というメーカーのOEM品なのでしょうか。